夜の魚/亜樹
 
らと ひかる
そのひかりが イヤだという

おまえは しらないのか
あれは 倦んでつかれた たましいだ
6畳半のへやで みどり児のために
老婆のつける 豆電のあかりだ
葬列に さんかする
みしらぬ親戚の ともすロウソクだ
狭いすきまに ギチギチにつまる
冬のテントウムシが かみしめるぬくもりだ

闇のなかで ほのかにひかる
あれが イヤだ
イヤだ イヤだ
まとわりつく くらやみの中で
なまぬるく あたたかい
あのひかりが イヤだ
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