Lover of Sputnik/000
宇宙に飛び出したライカ犬の尻尾を
必死に掴んでいるけど
惑星は憂鬱に喰い潰されそうだ
月の裏側を見たパイロットが云った言葉は
今となっては嘘かも知れない
棘だらけで歪な球体かも知れない
ビルの隙間から零れ落ちた青
どんな世界よりも暗闇を見上げた日々は
灰色の星が落ちてきたけど
衛星にはナイフが突き刺さっている
地球の色を眼に焼き付けたパイロットは
今頃はティータイムを終えて
飼い犬と空を散歩をしている頃だろう
遠くの海に溶けていった紅
何処にいたって僕は君を思い出すから
帰り道のない旅も哀しくなんかないのさ
何処にいたって君は僕を思い出すから
大きすぎる空をまた見上げてしまうよ
宇宙に届くように
孤独な夜に羽根を休める黒
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