「新しい朝」/ソティロ
 
新しい朝




新しい風だ
朝、
部屋を出て
飛び込んでくる
空の青
凛としていて
高く、高く
季節は秋だ
靴を履いて
エレベータの前で
きみを待つ


きみを自転車の後ろに乗せて
きみの自転車で駅まで漕いで行く
きみは軽い
信号は青
ビルに切り取られた空
澄んでる
背中に
微かだけど
確かにある
体温


赤信号、
横断歩道の前で
ゆっくりと止まる
急に地面が青く染まって
ぼくは戸惑う
また
新しい風が吹く
ぼくは
失ったものを失いたくない
塗り替えられたくない
要するに、きみが恐いんだ


振り返ると

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