考える彼女/エチカ
 
みんな頭の中じゃ手足を飼ってると
彼女は時々考えている

おおきな太陽に
「おはよう」
彼女はそっとつぶやく
理由なんかない
そこにはただ存在するだけだから

道のうえに地球が転がっている

彼女はそれを見る
だけどなぜここにあるのかなんて
きっと考えない
だってそれはそこにあるのだから


彼女は怖かった
それに聞いて欲しかった
何があったのか
どうなったのか

その 過程を


ただ黙って
道に転がる地球みたいに

ただあるがままに




時々 彼女は名前を欲しがった
彼女には名前が
[次のページ]
戻る   Point(1)