考える彼女/エチカ
みんな頭の中じゃ手足を飼ってると
彼女は時々考えている
おおきな太陽に
「おはよう」
彼女はそっとつぶやく
理由なんかない
そこにはただ存在するだけだから
道のうえに地球が転がっている
彼女はそれを見る
だけどなぜここにあるのかなんて
きっと考えない
だってそれはそこにあるのだから
彼女は怖かった
それに聞いて欲しかった
何があったのか
どうなったのか
その 過程を
ただ黙って
道に転がる地球みたいに
ただあるがままに
時々 彼女は名前を欲しがった
彼女には名前が
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