日々/小川 葉
挨拶するわけでもなく
さよならを言うわけでもない
この世界にはありえなくて
その世界にはありえた
幻想の高原のどこか
僕らはつじつまの合わない
黄色いポストに
手紙を出しに行く
過ぎ去ったあの日
なんて言う日々の数々が
もう二度と来ないように
これからはじまる日々のことは
何ひとつわかりはしない
正しいやり方を求める代償に
生きているとしか
言いようのない日々はやがて
すべてを知ることしか出来ない
運命にあるとしても
やはり僕らはただ
どこまでも続いているのだった
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