徒然 四/鎖骨
ああ もう
一日中だって眺めていてえよ
かわいて固まっちまった顔料みたいなあいつら
初めは 水のようだったのになあ
ごまかし にせがおづくりに躍起になって
おれはかなしい
かなしいといってやるよ
幾度もいくつもごたごたと
色はとかせやしないんだ なあ
たとえばおまえが四十のからだになったときに
まだ二十の気持ちをもとうと努めても
思うようには 心のお空のようにはいかないんだよ
だからおれもかなしい
横文字にカタカナでぎらぎら
いかめしい振りをしていたとおもえば
今度はひらがなで
どんな自分にひたっているんだい
かなしい、かなしいなあ
どうして誰もいってくれないみたいだから
おれからひとついっておかなきゃ
油まみれのおまえはもう何にもとけはしない
泣いてもわめいても読んでもすがっても
もう戻れないって
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