神話参/はらだよしひろ
手紙を書こうと思います
手紙に包みたい言葉を
一つ
二つ
頭の表面に浮かべては
想いを添えて文字にします
すると
私の声が録音されて
音となって
あなたに届きそうな気がします
私があなたを尊敬するのは
あなたの業績へでもなく
あなたの勇気に対してでもなく
あなたが私たちの心を溶かす
本を書いたからです
時は重なれば化石になります
私たちの積み重ねた棘から滲み出る血も
化石となります
あるのは
(人が生きていたらしい)なんていう
曖昧な歴史だけです
だから「嬉しい」と私の歴史に重ねて
言葉を添えることができることが
本当に嬉しいこ
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