「マイナスの場所から/寺西幹仁」『泣きじゃくり部屋』より/とうどうせいら
 
てみる価値がある。もし、ダメでも、やらなかった時より、悪い状況にはならないはずだ。それに失敗しても、必死にやれば、誰かに何かが伝わるかもしれない。もちろん、誰にも何も伝わらないかもしれないが、やらなければ最初から伝わる可能性は0である。やれば、可能性は限りなく0に近いが、0では決して無い。ただ、打ち合わせをやりながら、かなり悲愴な気分になることもあった。詩のフリーマーケットなんて、一体誰が参加するのだ。そして、誰が客として来るのだ。全然数が読めない。頭のいい人間は絶対やらないだろうなあ、と思った。実際、頭の良い方から、そんなの無理だよ、やっても何にもならないよ、とアドバイスを受けたこともある。しか
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