奥さん、俺はあんたを本気で怖がらせたかった/紀ノ川つかさ
俺がまだ子供の頃
あんたの息子達と仲がよくて
近所の子供達とも一緒になって
よく遊んだものさ
ある日、俺はあんたの家で
いつもの連中と一緒に
お化け屋敷を作ったんだ
窓をふさいで、部屋を暗くして
来た人をどう歩かせて
そして誰がどんな
お化けをやるのか決めて
圧巻なのは大きなクマの
ぬいぐるみがあって
そいつは目が取れていたから
背後に隠れて声を出すんだ
目を返せ
僕の目を返せ……ってね
そして、お化け屋敷は完成し
俺は奥さん、あんたを呼びに行ったよ
そしてあんたは、微笑しつつ入ってきた
今に驚くぞ、震え上がるぞ
ところが仲間達ときたら
俺の言ったことな
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