手紙/シャッターコーン
私は四百一行目を書き始めた
空が隠れて見えない程
葉が 私の頭上に生い茂っているようだ
見上げる事は出来ないが
差し込む光の量で 私はそれを悟った
ああ そうだ
上を気にしている場合ではない
指先すら 時に取り残されそうになっている
完全に動かなくなる前に
私は 手紙を 書き終え なければ
これで 何行目だろうか
それすら 判らない
そう言えば
私の周りには ずいぶん 木が増えた
私は 孤独ではない事を感じ
ようやく 手紙の結びを 書き出した
それじゃあ さようなら お元気で…
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