クリスマスローズ/
木屋 亞万
私を
慰めて
未亡人は
うつむき加減に
黒い手袋を見る
墓石には
微かに生命力を残した
花が零れている
息は
震えて
地面の染みは
誰のもの
何が滴り落ちて
濡らした
うつむき加減の
花が舞う
闇は
静かに
聖なる夜が
街を酔わせて
浮かれた音が
大地の感触を奪う
赤と緑
炎の予感
私の心を
慰めて
その灰色の唇から
こぼれる事の
なかった
毒が蝕む
空澄ます
すずのおと
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