晩秋の夜/
A-29
晩秋の冷えた夜に
ふ〜うと車を降りると
浴びるような月光が
ざあと降ってきて
胸の中でなにかが
焼けたような気がした
いのちのない月光は
こうしていくつのいのちを
照らしてみたことか
こうした晩に
いくつのいのちを
焼いてみたことか
なんにしても
たいしたことではない
戻る
編
削
Point
(0)