花葬/アオゾラ誤爆
白い手首から
あかいなみだが滴りおちて
砂に染みた
日をしるたびに乾かされる
ざらついた海の響きが
耳に刺さる
あらゆる事象が眩しい
それまでも花の咲く過程だときみはいう
半信半疑でわらっていても
ふれてみたいと切望した
まざりあう汗と
香水のすきまにしのび込む
体中の温度が
上昇するのを感じながら
あおぎ見るその瞳の奥で
やせ細った折れそうな茎が
ゆいいつの色素をこぼす
ぽろぽろ と
ぽろぽろ ぽろ と
握りなおす手のひらに潜むのは
あこがれに似た五感の象徴
何度まぶたをひらいても
時計はうごく
枯れ果てた骨はすべてを拒み
世界の心臓と同化していく
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