降りつのる淫雨のように/hon
うとした。男は交差した左右の掌で、女の左右の尻を鷲づかみにしっかりと掴まる。女は足の指先をシーツに引っ掛けて、力強く二度、三度と蹴り飛ばし、魚のように男の手を逃れると、荒々しく男の体を逆向きによじ登り、再びペニスを口に咥えた。男はまたしても女の腰を引っぱり上げようと試みるが、女は足先の親指と人差し指をシーツに絡めて抵抗する。男と女は互いの性器を追い求めて、一進一退の攻防を繰り返した。そうしてシーツを蹴って追ったり逃れたりの結果、二人は寝台の上を反時計回りに延々回り続けた。ぐるぐる、ぐるぐると。やがて、男は疲れてまどろんだ。
ひたひたと絶え間なく石床を打ちつける水音が響いて、男は目を覚ました。最初
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