チョウのように/春賀清流
雑多な日常に溶け込む空虚な日々
遇吟はあらかじめ空気を過熱しなければ思い浮かばない
心気を砕いてつくしたのに去り行く人々
もういっその事行旅に出てやろうか でもそんな勇気さえわかない
悠遠の彼方に置いてきた心
悠久の昔に忘れてきた涙
封印したはずの岩が今再び動き出す
あぁ きっとあの空に舞うチョウのように貴方は飛んで行くのだろう
私を置いて行くな 私には貴方が必要だ
なのに声は届かない
叫ぶ 喚く 叩きつける 消え去って行く
下手に多智でない方がよほど良い
知れば知るだけ哀しみは増えて行くだけだから
この猛る鼓動が消えればどれだけ楽か
焼却炉の中に投げ捨てても 生き生きと脈打つほど強い
投げ網をいくつ投入しても無駄なあがき
叶うものならどんな事でも挑戦するよ
それが無理ならいっそ死ぬさ
あぁ きっとあの空に舞うチョウのように貴方は飛んで行くのだろう
私を置いて行くな 私には貴方が必要だ
なのに声も届かない
駆ける 奮う 拾い尽くす 消え去って行く
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