飛行訓練/
 
マーブル模様の夜空に
月は失くしたペンダントのように沈んで

私は飛べる場所を探していた
行き交う人々の流れに揺られて

転がる石の中の
格子から手を伸ばす私
オレンジ色の街灯の光を吸収して
咆哮は発光し
アスファルトの上に浮かび上がった


どこまでも 路上をひとり駆け抜けてゆけ


誰も居ない路上を
消えた信号機の下を
植え込みの横を
地下鉄の出口を
地図も 道路標識も 子供のようにはしゃぐ影たちも追い抜いて
モザイク模様の階段を上がり
レンガの壁を駆けのぼり
下りて上がって
気がつけば
天まで続く透明エスカレーターを駆け上がり
鏡のウロコみ
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