踏む/
A道化
風を
包んだ
雨の羽の
横たわりゆく地にて
しめやかになった夏を
やわらかになったアスファルトを
踏む
その
私の
リズムの
ひとつひとつに含まれた 私の
しめやかな
やわらかな
私を
誰も 知らなくて
誰も 喜ばなくても
私は 知っていて
私は 喜んでいて
そうして
踏む
そう
夏を夏と知りながら
アスファルトをアスファルトと知りながら
その夏をアスファルトを喜びながら
そのしめやかをやわらかを
私は
踏む
2004.6.11
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