夜の街 枯葉と虫と男/まどろむ海月
{引用=
ワるつ
暗い モン・マ%#*:〜の丘に立つ
やせた木の
枝から離れた
一枚の枯葉が
静まった 晩秋の街路を
からからところがる
遠い向こうで
猫の影が走ると
(そいつはシャム猫に決っているんだ)
枯葉はびっくりしたように
空中に舞い上がって
くるくるっとワるつをまったりする!
虫
街路の石の隙間を
虫は歩いている
背に負った
やぶけた うすい
はーぷのようなはねを
こすってみると
むさい音が
虫の心をすっかりくさらせる
『おれの歌もうたい終った・
そおして虫は
初めて 顔をあげ
冬の気配の感じ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)