いなか/こしごえ
 
風が鳴る
凍える魂を
ひき連れ去る寒月を
湾曲する星夜の岸を
鋭く細く鳴っている

居炉裏端(いろりばた)の数え歌は
今宵も尽きることはなく
月影の枝が
障子に透けて心細くゆれている
炉心も真っ赤にひそんでる

おまえはいかにも楽しそう
意中は混沌とした光彩だ
しかしいかにも悲しそう……

風が鳴る
凍える魂を
ひき連れ去る寒月を
湾曲する星夜の岸を









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