高層ビルの派遣社員/狩心
ちょうど呼吸器がある首筋の所を
同じサイズに真横にスライスされて
手作業で一人ずつミンチになると
先進国の人々が喜ぶよ
群青色に染まる
ハンバーガーの具材として輸出
パンとパンに挟まれたまま
動かないカメラ
誰の心にも届かない骨は
深い谷に投げ捨てられる
冷たく静かな砂漠の谷が
白く硬い骨で埋め尽くされたら
向こう側へ渡ろう
きっともっと高い高層ビルから
新人の派遣社員たちが
羽が生えたと言って
笑いながら飛び降りてくる
車輪のない胴体着陸
地面に広がった衝撃
水面に浮かぶ
七色の油
昨日よりも今日
今日よりも明日という希望が
リアリティの墓場だ
メiデiア
あなたが僕の中で
踊り続けている
一体何の為に?
抵抗する着色料も
その目的を持たない
痰がゆっくりと
煙草の先端に絡みつく
次の煙草を吸う時
それは私の指だ
あと五本で指が無くなる
あと五分で震えが止まらなくなる
この肺は呼吸の仕方を忘れた
音楽が足りない
骨と骨の接続部から
体液と見られる潤滑油が採取される
七色の油
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