はるのよこがお/
こしごえ
潮風にさびる
落日の夢幻(むげん)
ゆく手には
茫洋の天(そら)
遠音の影を
ひびきつづける海岸が
涙できず知らぬ世で 立ち尽す
瞬息の流星
ほそぼそとあがる雲も あてどなく漂う雲も
うらさびしく暮色に暮れる
孤影の火影(ほかげ)を帰らぬ 夕紅
( 黒い洋服(ドレス)の白い手で 種をまく娘
流光はとどまらず
深き青嵐(せいらん)の
永遠を亡くす
めぐるはる ) の
桜吹雪
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