zets/go/渡邉建志
 
くなりたいと漠然と考えていた小学生の思考から抜け出ないまま生きてきたが、それは偉い人になるべきだというよくわからない自己暗示を無意識にかけてしまっていたのだが、果たして偉い人になるというのはいったい何に対する借りなのか。大偉人にならなくても小偉人になればいいのだし、小偉人とはおそらく電車で席を譲れる人のことだ。

借りてきた私ではないのだから、失敗しても仕方がない。1回しかない人生だと人が言う。だから悔いなく生きなければいけないという。それはいまは何の指針にもならぬ。それが逆に私を押しつぶしている。こうやって考えている時間が無駄だから動けという。しかし納得しないまま動いてもどこへもたどり着かな
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