それは痣/よしおかさくら
 
とうとう 見つけられてしまった
うつ伏せに寝ているわたしの
左足のつけね
紋章のようなかたち
うす茶色
くちづけをしてあなたは
これはなあにと
指でも確かめながら聞く
それは記号
わたしという人間の
それは模様
この身体の唯一の
それは意味の無いもの
わたしと同様に

あなたの舌先が触れる
あなたが飽かず眺める
あなたが繰り返し指で辿る
その時に
ようやく意味が訪れる
それは痣
あなたを待ちわびていた
色濃く染め変えられるのを
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