オルファン/マッドビースト
見せ付けながら
雲とスモッグの向こうへと没した
空も汚してしまって不感症の僕らは
都合よく彼を引き止めたがったけど
もうこの陥落寸前の街に 押しとどまって死守する
忠誠の価値などきっとない
それでも慈雨は次々と空から恵まれては
僕達に受け止められずに次々と落ちた
張り巡らされた側溝は
手際よく彼らを集め下水へと押しやっている
ごうごうと吸い込んでいるガス室だ
僕達は別れていく
雨粒のように世界に生れ落ちたのに
後から落ちてくるものを受け入れない僕達は
服が濡れるのは嫌だ
風邪をひくのも
だから僕達は別れていく
どう
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