醤油ラーメンと牛肉のソテーの繰言/
 


たとえば孤独
たとえば空腹
たとえば拒絶

そんな連鎖ばかりを選んでしまう人間の世界と
そんな連鎖とはついぞ無縁な人間の世界

どちらも同じ「世界」という名を冠する僕等の「世界」とやらは、

僕等、と書いたところで、
結局孤独と空腹と拒絶を世界のすべてとする人間にはやっぱり峻厳なままだ。

一杯の醤油ラーメン、
一皿の牛モモのグリエ、

その旨さには貴賤もごまかしもなく、
ただ一人でその滋味を味わう人間が孕む、

孤独と、
空腹と、
拒絶とを、

否応なしにむき出しにするだけだ。

満たされていくのは空腹。
確実な満足を覚える。

お腹はいっぱいだ。

そうして心はからっぽだ。
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