臨界に富む/皆川朱鷺
必要を有していた。
私は次第にいちいち自分で女を跳ね除けるのが面倒になってきていた。
そして、例え吐き気と戦うとしても、ひとりの女に傍を許した。
すると、どうだ。
その女は他の女を跳ね除け、私の生活サイクルを回し、
よって私はそのひとりの女以外の誰からも邪魔されず生活することが可能となった。
暇になった私は、さしてやることも無いのでどうしようも無いことを考える。
私の美しい女とは何だ。
もちろんあの永遠にループする夢の、美しい女だ。
夜眠れば逢えるのだが、私は逢いたくなかった。
私の疑問に答えは必要でない。
疑問は疑問であり、どこかの真空空間にぽーんと投
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