「シークレット・ガーデン」/菊尾
 
吐き出しても余っている感情に 
君は捕まらないでいて 
何も知らなくていい 
目隠しは離れたらほどけるよ 
揺らめくロウソクの灯り 
口元に寄せられるスプーン 
空腹の夜が音を飲み込んでいく 
僕らの笑い声もすぐに窓から外へ 
気にせずに食事は進む 
熟れた思考が落ちていく 
囲われたイバラの庭先で 
蟻が僕の内側を持ち帰る 
葬列 
僕を弔いながら食べればいい 
片側の眼に見下ろされている世界 
昼は精巧な太陽 
夜は凛とした月 
二つで見れば見落としてしまうから 
一つで見れば両側の側面を眺められるから 
二日前の夕暮れがそんな事を呟いて眼
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