世界の終わりのベッド/朽木 裕
愛する人と手を繋いで眠ると
このまま死ねたらどんなに幸せだろうと思う。
そんなことを口にすれば
「一緒に生きてこうよ、これからも。何でそんなこと、云うの?」
なんて云うのだろう、きっと。
半泣きになる貴方を想う。
貴方の泣き顔が好きなのはここだけの秘密。
身体が熱を持つ。
皮膚の下でざわめく細胞。
境界を失った身体は闇に溶けていく。
しがみつくのは怖いからじゃなくて。
声をあげるのは寂しいからじゃなくて。
泣きそうになるのは哀しいからじゃ、なくて。
愛しいからだよ。
大切な、人。
どうか死なないで。
私を看取る、約束だから。
死ぬのは私より
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