十一月/チグトセ
物語にも詩にもなれない言葉たちが積もっていく
それは、心の、大きな空洞を埋めることなく
外に積もる
臆病者には、逃げ腰の姿勢がいちばん似合いだよ
罪悪感を抱え込んで
それは、この砦に残った最後のぬくもりなんだ
いくら煙を吸っても吸い足りなくて
アルコールにはすぐ潰された
酔いが回ってきた
(なあ、お前のがらんどうは埋まったか?
俺のはちゃんと埋まったよ
楽しくて仕方なかった
この時間がいつまでもいつまでも続けばいいと
本気で思ってたんだ
でも酔っぱらってしまって)
そろそろ、この満たされない空洞そのものを
疑ってみた
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