秋雨男/udegeuneru
るのだ
感情を押し殺し、何か考えているふりをするのだ
母親に甘やかされて育ったのだ
これから先は許されぬだろうが
布団が俺を包(くる)んでくれる
働く奴はみな馬鹿で
自分が一番偉いと嘯き
傷も痛みもニセモノで
けれども未来は苦しげで
このまま部屋から出ずに一生を終えたいと思う
昼間には本を読み夜になれば酒を飲む
たまに散歩に出かけて
ふらふらと歩き
近くの川の土手で
夕日を見るのだろう
そしていつかは
しとしと降る雨に
流されて消えるのだろう
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