MELTDOWN/000
 
外は酷い雨で
闇雲に他人を傷付けた
ナイフを捨てるには丁度好かった

傘も差さずにずっと
遠くで地面の下に眼を落としていた彼女を
信じる理由は無かった

亡霊に恋したら
きっと夕暮れが恋しくなったんだろう
朝の数を指折り数えて
金曜日の午後にはきっとまた真珠の首飾りをして

憎悪を紅茶に溶かす

世界を壊しそうな雷は
ナイフを拾い上げた音も闇に隠してくれた
次に晴れるのはいつだろう

亡骸を抱いたら
とっくに温度は消え失せていて
光景に瞼を閉ざした侭
来るべき日には教会で十字架に手を合わせて泣く

軽蔑の眼が心地好く

悲劇の真ん中で彼女は役を演じる
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