雨の隙間/松本 涼
 
どうしても君を好きになれなかった

雨の隙間で寄り添っても
思いつく限りに届けても
なるべく話をしないでも
記憶に無い電話をかけても
傷ついた分だけ傷つけても
傷つけた分だけ傷ついても
小走りに逃げても追いかけても
下らないテレビに転げても
同じ寝言に重なり合っても

どうしてなんだろ

出来るなら君を好きになりたかった

どうしてなんだろ

いつまでたっても君は僕を
知らないままだった
いつまでたっても僕は君を
知らないままだった

出逢った日よりもずっと

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