プラスチック・ドール/快晴
 
彼女は宇宙人のような人だった
首は猟銃の柄みたいに長く
顔はこぶしサイズの小ささで
手足はビョンと伸びていた

ウイダーインゼリーを実に美味しそうに飲みながら
私がイトーヨーカドーで買ってきた
オーストラリア産のステーキを
「よくそんなものが食べられるわ」って目で見てた

肌はつるんと透き通るように白く
真夜中に、壊さないようにそっと交わる時
私は奈落の底に滑っていかないように必死だった
精液を何も言わずに飲み込むと
一言だけ「ショッパイわ」と口にした

ある晴れ渡った冬の雪の夜
そう、あれは晴れ渡った雪の夜
オイルみたいな涙のしずくを
そのプラスチックの頬に光らせ
ドアも閉めずに去っていった

彼女が唯一この部屋に残したモノは
「狼少年に僕はなりたい」という本

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