拝啓、ワタクシ/
フクロネヅミ
拝啓 十日後のワタクシ様
今日は怒りあり余って
車の鍵を投げつけたところ
見事に壁に刺さりました
さすがにまずいと思いましたが
あれくらいの穴
言わなきゃ誰にもわかりません
我を忘れそうになるほどの感情の高ぶりは
はたして、ヒステリックという枠の中に
収めてしまってよいものか
夕方頃にはいつも通り
心の異変は荒々しくも静かです
そんなわたしの悲しみは
言わなきゃ誰にもわかりません
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