ハピネス/いとう
ハピネス。
幸せについて語ろうとすれば
それは光のように輪郭をなぞって透けていく
影はすべて
光を雄弁に語るハピネス。
流れ、を捉えることが難しいのと同じくらいに
私たちが生き残るのはとても難しい
生き残り続ける神様
おでんの屋台でちくわぶを珍しそうに見ていた
「これはなんて名前?」
「ちくわぶ」
「へんな名前」
自分ならそんな名前はつけないと目の端で伝えている
確かにそうだ
神様が名付けたのではない
ちくわぶ。人が名付けた
すべからく
人の作ったものすべてに罪はない
と仮定するなら
人に名付けられたものすべてに罪はない
たとえば戦争、というよく
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