無題/紺
なんにでも
祈るのが癖だった
タンスの模様や 道端の石ころ
毎日
自分だけのかみさまに
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壁には
サンリオのキャラクターが貼られている
小さなわたしがひとりで眠るとき
心細くならないように
だけど眠れずに
一晩中そのシールを見つめていた
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何が食べたい?と聞かれたので
記憶が食べたい、と答える
いつもいつも
記憶に溺れている
見つけることを忘れて
探してばかりいる
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テレビが好きだった
いつも賑やかだから
見なくても必ずつけた
テ
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