創書日和。酒 【ねえマスター?】/
佐々宝砂
ボトル開けてください
マスターは無口で気楽
狭い店内は薄暗く
窓の外にだけ鮮やかな色彩
まだ呑めるまだ夜は浅い
高い酒を黙って呑む愉楽
突き出しの菜はほどほどに辛く
心の中でだけ送る喝采
控えめにジャズがながれる
少しだけ気になる時計の針
夜は必ず明けてしまうから
ねえマスター今夜一緒にいてくれる?
誘いかけたいのだけどやはり
黙ったままグラスはから
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