純白恋夢/愛心
どれくらい翔んでいるのだろう。熱が血液を沸騰させていく。
死にに行っている。
頭では分かっていた。しかし体は、ためらうことなく突き進んでいた。
僕は、彼女の傍らにいなければいけない。
紅蓮の、聖なる炎の中で、焼き殺して欲しかった。
体が限界を訴えた。その時だ。
遠くに、天空に浮かんでいる滝を見つけた。
その滝に、姫君が走り寄る。
健康で、幸せそうな姫を見ながら、僕は、燃え尽きた。
【占いばかりに頼っていた王様。ある日こんなふうに言われた。
「お前の娘はきっと、罪深き男に捕まえられる」
王様は、自分の娘を塔に隠し、誰にも盗られないようにしてた。
ある日のこと姫君は、綺麗な天使に連れ去られ、行方を消してしまった。
王様はその後、見たんだ。太陽の上に、綺麗な滝が落ちるとこ。
その滝の中に、優しい姫と、罪深い天使がいたところ】
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