パルス/大覚アキラ
囁くような声で歌いながら
磨り減ったペンの先で
点と点を結んでゆく
誰かが残していった徴と
それを結ぶ行為の意味も
やがていつしか変わっていくだろう
触れたぬくもりは
テキストよりも映像で保存されていて
鮮やかに感触を再現する
忘れることのないシステム
数え切れない引き出しに
全部思い出をしまいこんで
二度と開かない鍵を掛けて
聴こえない音を
耳の奥でリピートしてみて
独り善がりの構造で
あらゆる場所で再現される
その瞬間の模倣
すべてはその中に
いつも同時にあるから
なげやりなポーズで
白日に晒す
意味の先にある
ちっぽけな魂のかたち
そう
点と点を結んでゆく
囁くような声で歌いながら
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