私は孤独な夢占い人だから ?/卯月正也
 

私は孤独な夢占い人だから
出会いをむかえる度に カードをめくってきた
カードをめくりながら
いつも 次のカードを夢見ている
いつも 次のカードを夢見ている

私は孤独な夢占い人だから
別れをむかえる度に カードをめくってきた
カードをすべて切りなおし
いつも 次のカードを夢見ている
いつも 次のカードを夢見ている


 ある夜

 私は風が松林をゆらす道を歩いていた
 たどりついたのは 黒く冷たい海

 蒼い月夜の浜辺の砂は 
 握りしめれば 指のあいだから こぼれていく
 想い出のように
 握り締めれば 指のあいだから こぼれていく


私は孤独な夢占い人だから
出会いをむかえる度に カードをめくってきた

最後のカードをめくり終え
カードを高く放り投げた


カードは放物線の頂点で

くるくる くるくる
くるくる くるくる

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