ごめんなさい。/小原あき
にそうとは言えないわ。」
蝶 々「でも、捕まえたりはしない。」
蝶 々「なぜ、わたしたちを放っておいてくれないのか。」
猫 「コレクション。」
野良犬「馬鹿馬鹿しい。」
カラス「いきものをなんだと思っているのだ。」
猫 「何とも思っていないんじゃないの?」
飼い犬「わたしたちもコレクション?」
野良犬「そうかもね。」
わたしは人間だ。
他のいきものではない。
他のいきものと話し合えるわけでもない。
全ては想像で、間違っているかも知れない。
他のいきものの代弁をしたつもりはない。
わたしは全てを知らない。
全てを知りたいとも思わない。
全てを知っているということは、
膨大な宇宙よりもはるかに大きな頭を持っていなければならない、ということで、
そんなでっかい頭を持って生きていたいとも思わない。
ただ、
わたしはひとりのなんでもない人間だ。
ただ、
愛犬と散歩をすることにこの上ない幸せを感じる
なんでもない人間だ。
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