サンガツ/mizu K
夜
から遠くかけはなれた殺伐とした
都会のビルヂングの上に
犬の遠吠え、やはり
猫はこたつでまるくなっていた
かもしれない夜
山を下りた羊飼いが
都会のネオンの下で
やっぱりパンフルートをストリートで吹き唄い
その頭上には
かすみぐも、たなびく
やはり三月の夜
ごらん
夜空がなにもかも乳白色にみえる
そんな夜には
どこかの銀河の船乗りもまた
かすみに針路を見失い
羅針盤と磁石をにらめっこ
あとは自分の直感たより
さて、あとは言うことをきかない櫂を直すだけだ
こうやってぐにっと曲げてな
まじないを少しかけてやれば
少しはまじめに働いてくれる
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