後足/
高橋良幸
意味なき意味を詩人往き
あとにつづくは詩人のみ
素材の味はそのままに
繁る葉食うも便にそのまま
渡る連々 わずかに空
意味なき意味を詩人往き
あとに残るは意味ばかり
砂利も詰草ものけられて
雨 実 死骸も孕まず固い
通る面々 ほとんど空
意味なき意味を歌う詩は
詩人が前足で書いたもの
後ろの足はものいわず
あるがままのなき意味に立つ
綴る諸行 すなわち空
意味なき意味を詩人往き
意味なき意味はひと巡り
墨に浸した足跡を読み
今や詩人は何宣す
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