鳥女/楢山孝介
*注
http://www.quilala.jp/prize.html
で読める掌編小説『鳥男』のスピンオフ詩作品
鳥女は鳥であるから空を飛び
女であるから山に降り
やっぱり鳥であるから卵を産んだ
産み落とした三個の卵を見つめながら
鳥女は鳥男のことを思い出した
空で出会った
空で交わった
それから
それから
鳥女は記憶力が悪かったので
鳥男の顔はぼやけ始めていた
漠然とした快楽の残滓に酔いしれた
鳥女が鳥男のことを考えている間に
忍び寄ってきた猿女が卵を一個奪った
猿女が逃げ出す前に我に返った鳥女は
鋭いくちばしで猿女の心臓を貫いて
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