黄昏えれじー/九鬼ゑ女
戯けすぎた道化師は /ふざけ
転がり続ける何処までも
地球というちっぽけな玉の上
えっ、なんだって?
「おまえには似合わないよ、その口紅は」
そういうあんたはどうなのさ
強請ったまんまさらり身を躱して /こわばった /かわして
「セックスよりも…愛」だって?
ふん!嗤せないでよ /わらわせ
おふざけはもうオシマイ
いくら堕ちてもあたしはあたし
イジケタ吐息を
ひとつふたつと数えるその唇を
葬るためにあたしが塗りたくるのは
…それは、あんたの影
いつだって影は
転がり堕ちるあたしを引きずる
濡れた睫毛にあっけらかんと
不仕合せという色を巻き込みやがる
甚振るように黄昏もあたしを蓋う /いたぶる
赤っ恥を濃くした長ぁい影で
「ほらっ!ざまあみろ」
嘲笑りながらあたしを… /あざけり
玉ごと蓋い隠す
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