雨つき/yozo
 
れているのに
叫びさえするのに
非情に刻む秒針を笑うように
くねりながら落ちて
弾ける

雨だ
また今、雨が幾億万の葉を揺らす


見えることだけが全てで
ただ言葉だけが
梅雨入り前の緑を
我侭に赤といって愛し
奔放に銀色と抱きしめる
無の中で打たれる水音にリズムを求め
全身をそばだててしまう
魂、だろうか
震えるのをひとしきりそんな風に装って
やっと
やっと
キミが忘れてったTシャツの中
ぷかぷか根無しに浮く冷えたカラダに気付く
暖めてもらう理由になるだろうか

雨だ
緑がむす
少しの間だけ冷えてから多分
また暑くなる


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