64P 「短歌2」より/むさこ
 
わけもなく心和める夕暮れや
秋はやさしさ運びくるらし

音たててころがりて行く空き缶に
信号待つ間の視線集むる

夜半覚めて物読みおればしぐる音
しばししてより また止みにけり

木もれ陽を両手に掬ふ幼な子に
さつきの公園 風匂ふなり

帰り来し嫁の車は一面に
桜吹雪を受けて はなやか



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