63P 「短歌2」より/むさこ
 
ひとしきり赤子の泣き声聞えきて
蜂が屋根より高く飛び行く

入り口に蜂が二つも巣を作り
猛暑にうだる昼に飛び交う

焼けし如く川原の上手はみどりなく
川も細りて水鳥哀れ

狭庭の木の芽に花が咲しこと
今日の日記にかきしるすなり

花冷えに辛夷の花は紙吹雪の
舞う如空に向きて咲きつぐ

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