薔薇と宇宙/1486 106
消えゆく光と
生まれゆく光
すべての光を救いたいなんて
無機質な優しさを振りかざしては
何も出来ずに立ち尽くす
アルタイル
ベガ
アンタレス
それ以外は皆同じ星でしかなくて
すべての名前を知りたいなんて
無責任な正義感を振りかざしては
悔しさに唇を噛み締めた
気持ちだけで世界を動かせたら
簡単に英雄になれるけど
本当は愛や希望が無くても
地球は回っていけると知った
だけどそれも仕方のない事だと
人はその身に棘を纏う
薔薇のように美しくもないのに
夜空を駆ける流れ星
また一つ星が消えていく
こうして流れ落ちなければ
誰も目もくれなかっただろう
少なくとも僕は忘れない
回り続ける青い星の上
それぞれの感情が交錯する
気持ちだけでは何も出来ない
だから言葉が生まれたんだ
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